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老少年と青い鳥

このブログの初回記事を書いている。

記事タイトルに「青い鳥」とあって

メーテルリンク原作の童話を思い浮かべる人がいるかもしれない。

まさか関係ないだろうと思うだろうが、じつは関係がある。

幼い兄妹チルチルとミチルが追い求めた青い鳥は

どこか遠い不思議の地ではなく、自分たちの生まれ育った家にいた。

まあ結論をいうとエッセ倶楽部もまた

自分の人生を慈しむことにこそ、人の幸せはあって

それは見果てぬ夢の向こうにはないのだ、という視点に根ざしている。

その視点を「幸せと空気椅子とエッセについて」に書いた。

自分の過去を後悔と劣等感の色メガネで見ることなく

大切な資産だと考えるだけで、その人の人生観は変わるのである。

わたしは1953年生まれで、あとふた月で70歳になる。

こんなことを書いてるくらいだから

ご想像のとおり、夢見る老少年だ。

それでも、ずっとハングリー精神で生きてきたから

多少の筋金が通っていると、自分では思っている。

そして、幸か不幸か、あと30年は生きる。

これは単なる願望じゃなく、ちゃんとした根拠がある。

実父が99歳になって、いまだ頭脳明晰であること

そしてその姉(わたしの伯母)が110歳まで生きたこと。

いまからでもわたしと知り合うなら

いずれ100歳の友だちがいると自慢できるだろう。

わたしは退屈な人生を嫌うので

あと30年を退屈せずに生きるための構想を練らなければならない。

この年齢だから、生半可なことでは楽しめない。

多少は世のため人のために生きたい、などとも思う。

うまい酒とうまい肴は、もう知っている。

それでもふと窓辺に目をむけたとき

そこに青い鳥の背中が見えたりすると、ほっとするにちがいない。

カゴから出しても逃げない鳥であれば、なおさらいい。

そんな鳥をいっしょに見つけ、その背中を見ていようではないか。